File No.0075

スキャナーのフィルムホルダー
ピンボケ防止改良




 私は、仕事柄、膨大なポジフィルムを保有し、デジタルカメラしか使わなくなった現在に至ってもまだポジからスキャニングしてデータ化する作業を折に触れて続けている。データ化するのは、主に35ミリ判と67判だが、後者はサイズが大きいこともあって、スキャニングにややコツがいる。というのも大きいだけにホルダーにセットしても、時として下向きに撓(たわ)みやすく、それがピンボケにつながるのだ。

 ほとんどのフラットベッドスキャナーに付属しているフィルムホルダーは、ひとコマ単位に切り出したものでもスリーブのままでも対応できる構造になっているが、それだけにひとコマ単位でホルダーに挟むと、上下は固定できても左右を同時に固定することはできないため「撓み」につながり、ピンボケの原因となる。

 そこで、ひとコマ単位で挟んでも、撓むことがないように厚さ0.5ミリのプラスチック板を短冊状に切って両面テープでちょうどいい位置に貼り付けてみた。撓み防止の支持材というわけだ。貼り付け位置は、67判の画面よりもわずかに長い寸法にした。つまりポジひとコマをホルダーに載せた時に、どんなに縁部分が短くても、左右のプラ板のどちらにも載っかる位置にしなければならない。短いと画面切れするし、長いと左右のどちらかが載っからなくなる。そのちょうどいい位置にする必要がある。

 また今回使用したプラ板は白だったので、裏側には黒テープを貼った。白いままだと、画像認識の際に白い部分も画像のうちだと認識されてズレたトリミングになる可能性があるからだ。

 こうして改良したホルダーでスキャニングするようになって以降、ピンボケ発生率はゼロ。原版通りの実に気持ちいいシャープな画像を得られるようになった。35ミリ判でも同様のピンボケはどうしても発生するが、サイズが小さいだけあって、たとえプラ板で補強しても防止するのは難しいだろう。



短冊状に切ったプラスチック板を両面テープでホルダーに貼り付ける。プラ板どうしの間隔は72ミリにした。



67判ポジフィルムをセットしたところ。プラ板が支えになって撓むこともなく、平面性がほぼ担保される。



プラ板がない時の67判ポジフィルムを横から見たところ。このようにフィルム自体の重みやスキャナーの熱によって、時に下に向けて撓むことがある。7〜8割は問題ないが、このように撓んでしまうと、どうしてもピンボケになる。


プラ板追加改良前に撓んだままスキャニングしたポジフィルムをピクセル1/2倍拡大してみた部分画像。完全にピンボケになっている(左)。一方、プラ板追加改良したホルダーでスキャニングした同じポジフィルムを同倍率で拡大してみた部分画像。ピンボケは生じていない(右)。



ちなみに35ミリ判ポジフィルムをホルダーにセットした場合。横から見ると、若干の撓みや波打ちが生じているのがわかる。67判ほどのピンボケにはならないと思われるが、おそらく中心部は比較的良好でも周辺部のピンボケはどうしても避けられないだろう。徹底的にこだわるのであれば、マウントしてスキャンするか、もしくは67判と同様にプラ板を追加すれば、平面性を保ったままのスキャニングも可能となるが、さすがにどちらの方法でもそこまでするのは大変だ。



以下、記事+写真NEW

 上のキャプションで書いた35ミリ判用フォルダーにも平面性を担保させるプラ板を取り付けてみた。最初、プラ板の幅を6ミリにした。プラ板の幅が広い方が、ポジを置く際も置きやすいだろうと思ったからだが、この追加をした上でプレビューしてみると、自動画像認識によるトリミングミスが目立った。うまくいくこともあったが、回数を重ねると、後半部分のトリミングのズレが大きくなることが多かった。

 そこで写真のように幅を3ミリにしたところ、ほぼ問題なくトリミングできるようになった。私のスキャナーはエプソンのGT-X970だが、スキャナーのメーカーや製品によっても結果は違うかもしれない。いずれにしても、このプラ板を貼ってからポジフィルムのたわみや曲がりによるピンボケは一切なくなり、67判と同様にシャープなスキャニング画像が得られるようになった。ただ67判と違って、ホルダー上に35ミリポジフィルムを1コマ1コマ置いていくのは、ピンセットや吸着ピンセットを使った、より細かい作業となり、少しズレただけでプラ板からポジの片側が落ちることも多い。スリーブで保管している人であれば、そもそも補強材は不要かもしれないが、大半をコマ毎にタグ付きのポジ袋に入れて保管している私の場合は、そういう作業をするしかない。



とりあえず2列分、ポジの曲がり防止用プラ板補強材を取り付けた35ミリ用フォルダー。写真に写っている短冊状の白い部分は0.2ミリ厚のプラ板で、その裏に2ミリ厚のプラ板を貼り付け、さらにその裏には黒テープが貼ってある。黒テープを貼らないと、白いプラ板も画像のうちと認識されて、トリミングミスにつながる。最初、0.5ミリ厚のプラ板のみでやってみたが、押さえ枠の取り付けが、やや厳しくなった。取り付けられないことはないが、キツキツになって、ポジフィルムの位置の調整が難しい。そこで、薄いプラ板に変えると、支障が解消した。


補強材の拡大。白い短冊状の部分が0.2ミリ厚プラ板。その下の少し黒い部分が2ミリ厚プラ板。すべて両面テープで固定した。2ミリ厚プラ板も白なので、側面を油性ペンで黒く塗った。



35ミリ判ポジフィルムを並べて、押さえ枠を取り付けたところ。すべてのコマが補強材に載るようにするのは、そう難しくない。ただ補強材の貼り付け位置は正確にする必要がある。



裏側から見たところ。最初の0.5ミリ厚プラ板だけの場合。スキャナーの熱でポジフィルムが曲がると、一緒にプラ板も曲がって、それが両端のピンボケにつながったが、フィルムを載せる部分を0.2ミリ厚プラ板にした上で補強用に2ミリ厚プラ板を裏に貼り付けてから、そういう問題も起きなくなった。この写真では2ミリ厚プラ板だけに同寸法の黒テープを貼ってあるが、その後、2列分にまたがるように幅3ミリの黒テープを貼る方法に変更した。すると画像周囲の黒い部分の直線がきれいになった。

















 

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