File No.037
肥料置き場



 実家の倉庫脇に肥料置き場の棚を作ることになった。実家専属の工作班である私が、早速作業を開始。まず設置場所の寸法をとり、必要な木材などの材料をホームセンターで揃えた。おおまかな形は、頭の中にできてはいたが、実際にホームセンターに行き、どんな材質の木材がどのくらいの寸法で揃っているのか見てみないと、予定通りに作れるとは限らない。状況によっては根本から見直し、プランを変える必要に迫られることも珍しくない。しかも売られている木材の寸法を確認して、頭の中で必要な本数や枚数を計算しても、実際に作ってみると思うように行かないものである。今回も製作の途中で何度か追加で材料を買いに行くことになった。

 一言で「棚」といっても、設置場所の寸法と利用形態に合わせたオーダーメイドであるから、すべてイチから作り上げる必要がある上に箪笥大の大きさの棚となると、想像以上にその工作は手間がかかる。結局、完成までに約2日半を要した。



まず買ってきた木材を寸法通りにノコギリで切断する。切断したあと、各部材にヤスリとサンドペーパーをかけて、角を取り、表面をきれいに仕上げる。


 「棚」というと単純な工作のように思えるが、前後左右に支柱どうしを結ぶ「梁」を支柱とどのように接合させるかというのは、意外と悩ましい。大工さんが得意とする高度な継手加工なんて、当然のことながら無理な話。一番簡単なのは、支柱側から穴を開けて長い木ねじ2本で締める方法。しかし棚板をその上に乗せるためには、前後の梁と左右の梁を同じ位置で接合させなくてはならない。すると木ねじの位置が交差してしまうため両方とも木ねじで固定するのはやや無理が生じる。多少位置をずらしたとしても限界がある。
 そこで、左右の梁と支柱は直径25ミリの丸棒を埋め込んで、それで接合することにした。一方、前後の梁は長さ70ミリの木ねじ2本で固定することに。本来は逆の方がいいが、長さ130センチもある梁材の両端に直径25ミリの穴を垂直に開けるのは、かなり難易度が高い。従って短い左右の梁材の方を丸棒で接合することに。
 写真はその左右の短い梁材に卓上ボール盤で垂直の穴を開けているところ。下の方は写っていないが、フリーのままでは穴の軸がブレるので、万力で固定してある。


支柱側にも同じ直径25ミリの穴を開けて、直径25ミリで長さ50ミリの丸棒材(写真中央下の円筒状の材)で支柱と梁を接合する。試しに接合してみたところ、スポッという感じで収まった。


前後の梁を木ねじで固定。もちろん先にドリルで穴を開け、支柱側の穴は木ねじよりも少し大きめの穴、梁側には少し小さめの穴を開けておく。そのままでは、とても長さ70ミリもある木ねじを埋め込むことはできない。


全体の骨組みが仕上がったところ(左)。さらに棚部分の下には補強用の梁をそれぞれ中央に一本取り付け、屋根側にはあとで波板を釘打ちする時のことも考えて補強用の梁を2本取り付け、さらに寸法通りに切断したベニヤ板を棚部分に釘で打ち付けたところ(右)。ちなみに天井側は水平になっているように見えるが、ごくわずかに前方側に傾斜させてある。


白いペンキを塗ったところ。使いかけだったペンキ缶に加えて、0.7リットルのペンキ缶を新たに買ってきたが、それでもわずかに足らなくなり、またホームセンターに買いに行って、すべて塗り終えた。このあと波板を左右と天井に打ち付け、支柱の足元に2ヶ所の穴を開ければ、ほぼ完成。


 支柱の足元には、支柱の長さを微調整するためのネジ込み式の台座を取り付けた。いうまでもないが、支柱が3脚なら地面に多少の水平誤差があっても安定するが、4脚では安定するとは限らない。そのために再度地面をならして水平にするための微調整を繰り返すよりも、支柱側にこのような調整機能をあらかじめ作っておく方が、あとが楽…との判断からだ。
 上に写っているオレンジ色のロープは、下に並べたコンクリートブロックの下に通して、支柱の脚に結んである。つまり台風対策のためのアンカーというわけ。一人で移動させるのは、かなり骨が折れるほどの重量があるので、台風で飛ばされる可能性は低いが、波板により風圧を受けやすい構造ということもあり、念のための措置。ただ何らかの方法でいずれロープ末端は隠して、もう少し見栄えをよくしたいところだ。


完成して石灰などの肥料や農業資材を入れたところ。

 















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