File No.045
仕事用デスクのリペイント


 私が普段、仕事で使っているデスクは、中学入学時に広島市内の事務用品専門店で買ってもらった中学生には不釣り合いのスチール製の両袖机で、もう40年を越えている年代ものだ。小学生の時、ありがちな学習机は買ってもらえなかったので、格好良くて便利そうな学習机を持っている友人がうらやましかったものだが、今となっては、しっかりした造りで半永久的に使える本格的なスチール製事務机の方がよかったと思う。その点、両親に感謝である。
 
 とはいえ、さすがに40年を越えると、所々に錆が出たり、引き出しの開け閉めが、やや重くなったようにも感じる。何よりも味も素っ気もない事務机なので、さすがにちょっとなんとかしようかな…と思った。

 そこで、仕事部屋の整理に合わせて、デスクもちょっとばかしリニューアルさせることにした。といっても、やることは簡単。引き出しの表面だけ黒くリペイントするのだ。それだけなら、手間がかからない割に見かけは大きく変わる。いうまでもなく事務机としては至ってありがちなグレーなので、それを黒にすれば、装いも新たに仕事に取り組める(笑)。

 で、早速やってみた結果が以下の通りだ。引き出しをひとつひとつ外して、中身を出して空にする。次に取っ手部分を取り外し、表面の汚れ除去とシリコンオフ(脱脂。塗装面の油脂成分を取り除くこと)を兼ねてアルコールをしみ込ませた雑巾で何度も拭く。必要な箇所にマスキングテープで養生をし、あとはつや消し黒のラッカースプレーを吹き付けるだけ。乾いたら、取っ手を再び取り付けてデスクに戻す。デスク本体も塗るとなると、かなり大がかりな作業になるが、引き出し表面だけなら数時間程度で完了だ。

 ラッカースプレーできれいに塗装ができるのか、と思われるかもしれないが、2枚目の写真をご覧頂ければわかるように見かけ上、ほとんど最初から製品として黒に塗られているようにさえ見えるほどである。
 きれいに塗るコツは、スプレーを近づけすぎず、一度に完全に塗ろうと思わず、所々に塗り方が薄い箇所が出ても気にしないくらいの認識で、スプレーを素早く動かしながら塗料を吹き付けていくことだ。このような金属製品の場合は、木材のように素材に塗料が吸収されることが一切ないので、吹き付けが少しでも多めになってしまうと、途端に液垂れにつながる。薄く塗って、乾いたら再度塗る…を繰り返す方がきれいに仕上がる。乾かす時も塗装面を水平に保つ方が液垂れしにくい。

 まあ、焼付塗装ではないので、塗装皮膜は強固ではないと思うが、引き出し表面だから、普段そんなに負荷がかかるわけでもないし、傷みが出たら、また塗り直せばいい。

 ついでに古くさい椅子も黒く塗ったところ、いい感じに仕上がった。写真に写っている椅子の座面は、もともと青い布が張られていたが、ここもラッカースプレーで黒く塗ってしまった。ひょっとして、何か問題が生じるかもと思ったが、特に問題はなかった。

 つや消し黒のスプレーは、つやあり黒や白の無彩色スプレーと同様、ほかの色よりも格段に安い値段で売られている。私が普段よく行くホームセンターでは、1本180円+税くらいの値段だった。引き出し7個分の表面を塗る場合は1本では、やや心許ない。余裕を見て2本くらいは買っておきたい。




買ってから40年以上も経過している仕事部屋のデスク。両袖の引き出しだけでなく、真ん中の引き出しの表側も、ラッカースプレーで黒く塗ってみた。ちなみにデスク上にあるディスプレイは、左側と真ん中はPC用で、右側はテレビ。デスク左側の黒いラックはPC本体を収納するためのもの。写っていないが、その上にもう一台、PCがある。このラックは数年前に自作したもので、高さや奥行きがデスクの寸法とピッタリ揃っている。



ほらね。結構きれいに塗れてるでしょ。取り外した取っ手も、卓上ボール盤にワイヤーブラシを取り付けて磨いた。当初、このアルミ製取っ手は、さらに錫メッキを施そうかと思っていたが、きれいに磨けたので、その作業は見送った。錫メッキは、自分で簡単にできる。やり方はネットで検索すればすぐに出てくる。


















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