Nature
 File No.0058
土壌還元型コンポスター


 家庭から出る野菜くずなどの生ゴミは、通常は「燃えるゴミ」として排出すると思うが、水気が多いのでゴミ処理工場の燃費悪化の原因となり、地球にも優しくない。この対策としてはコンポスターの利用が一般的だろう。うちでも昔は市販されているコンポスターを使っていた時期もあるが、もう5年くらい別の方法で処理している。

 別の方法といっても、実は超シンプル。要は地面に穴を掘って、そこに生ゴミを投入し、時々土をかけて臭いを遮断。穴が一杯になりそうになったら、土で完全に埋めてしまい、少し離れたところに別の穴を掘って、同じように生ゴミを捨てていく。ある程度の面積の土地が必要となるが、3m四方くらいの場所があれば、ローテーションでほぼ半永久的に生ゴミを処理できる。一巡して戻った頃は、すでに埋めた生ゴミはほぼ完全に土に還っているので、また生ゴミ処理に利用できる。つまり最終的に堆肥として回収せず、土に戻してしまう土壌還元型コンポスターというわけだ。

 本体は土に掘った穴ということになるので、コンポスターとしての要素は蓋だけ。蓋は樹脂製のやや厚みがあるシートを丸く切り、木組みして取っ手を付けてある。開閉できるような構造にして、やはり樹脂製プレートに穴を3つ開けて、先がL字状になった金属製杭で地面に固定すれば、もうコンポスターの完成だ。この蓋を作って以降、我が家では、生ゴミを「燃えるゴミ」として排出することはゼロなので、SDGsに大いに貢献していると思うね(笑)。

 実は最初に別のやや弱い樹脂製シートを使ったところ、カラスに穴を開けられたことがある。そこで少し強度がある現在利用しているものと交換したところ、以降、被害はなくなった。カラスだけでなくノラネコや野生動物に荒らされたことも皆無である。

 
勝手口近くに設置した土壌還元型コンポスターの蓋。強度を維持させるために木組みにして、取手も付けた。蓋があるお陰で臭いも遮断。見た目もいい(上)。蓋の下には、このように円筒状に掘った穴がある。うちではいつも50センチくらいの深さになるまで掘る。その作業が大変といえば大変。ひとつの穴の利用可能期間は家庭の人数にもよるがうちの場合は2ヶ月以上もつ(左)。

先端がL字状になった、長さ30センチくらいの金属製杭を蓋のロックに利用。ロックしたところ(左)と解除したところ(右)。


蓋が開閉できるように基部を工作。蓋を開けた時に途中で止まる添え木もつけた。樹脂製プレートに穴を開けて、金属製杭で固定する。これなら取り付けも取り外しも簡単。
















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