File No.048
仕事用肘掛け椅子の修理


 仕事部屋にあるスチールデスクと同様、肘掛け椅子も結構な年代物である。実は今もこの椅子に座ってキーボードを打っているわけだが、さすがに中学入学時に買ってもらったデスクとは違って、もう少し新しい(スチールデスク購入時に合わせて買ってもらった肘掛け椅子は破棄)。とはいえ、それでも20年くらい経っていると思う。

 かなり前に父が、ヘッドレストを取り付けるアームを木材で自作して追加していた。しかし、そのせいもあってか、背もたれに負荷がかかる時間が増えて、座面下部にある部品が金属疲労で断裂しかけていた。その断裂が、最近さらに広がって、新しく買い換えるか、修理をするしかない状態になってきた。秦野の家で使っていた肘掛け椅子もあるが、今は隣の部屋でたまに使っているので、できればそれを持ってくることはしたくない。

 電気溶接機があれば、断裂部分を溶接するだけで簡単に解決する。近所の町工場みたいなところに持って行って、溶接してもらうことを考えたが、その費用は新しい椅子を買うのと比べて微妙なところかもしれないので見送る。実は以前から溶接機がほしいと思っていたので、これを機会に買う選択もあったが、溶接なんて、ある程度、習熟しないと無理だろう。従って、すぐに修理したい今回の場合は、別の方法で修理してみることにした。

 ところで父がアームを自作した際は、母が小さな枕状のものを作って、それをヘッドレスト代わりにしていた。のちに他の物に替えていたが、それでも見た目があまりよくないので、車用の既製品に交換しようと思っていた。

 アマゾンで探すと、それなりに候補商品が出てくるが、どれも2000円前後と意外と高い。そのため、しばらく保留にしていたのだが、先月、オートバックスに別の用で行ったところ、格安ヘッドレストを見つけて飛びついた。ネットを立体状にしたヘッドレストで、値段はなんと300円。これはいい!! 懸案があっさり解決である。

 ついで書いておくと、アマゾンは確かにここでしか買えないものも多くて非常に重宝するが、一方で意外とリアル店舗の方がベストなものがあったり、あるいはアマゾンよりも安かったりすることもある。
 昨年の夏に防獣ネットを買おうと思った際、アマゾンで値段を調べた上で、念のために近所のホームセンターに行ってみると、アマゾンの6割くらいの値段で売られていた。ほかにも別の物でアマゾンでは見つからなかったのに、やはり同じホームセンターでベスト商品があっさり見つかったこともある。リアル店舗も意外とアマゾンに負けていないことを実感した。まあ、逆に同ホームセンターで買った電気もちつき機が、アマゾンなら7000円も安かったことに買ったあとで気づいたこともあるけどね。




赤矢印が、金属疲労により断裂していた箇所。これを溶接せずに修理する方法として、座面と金属部品の間に木材を噛ませるのが一番、工作自体も容易で強度的にもベストだろうと考えた。写真のスプリングが、背もたれによりかかった時にその負荷を吸収し、適度な弾力で快適な座り心地を作る役目を担うわけだが、修理前はスプリングを固定するボルトが金属部品にそのまま付いていたので、背もたれの負荷はこの一点に集中し、それが断裂につながったわけだ。そこでボルトにかかる負荷を金属部品ではなく木材の方で受け止めるようにすれば、断裂部分がそのままでもいいのではないかと考えた。そこで、厚さ15ミリの板を座面と金属部品の間に入れて、さらに厚さ3センチくらいの木材(厚さや形状は金属部品に合わせて調整した)で金属部品の隙間を埋めるように、両者を接着固定する。座面と金属部品をボルト固定した際、3者が完全に固定されるようにしておけば、負荷に十分に耐えられるはずだ。

 金属部品に新たに11ヶ所の穴を開けて、六角フランジタッピングネジ(普通の木ネジでも問題ないが、より強い力で締め付けられる)で木材とを固定。座面との固定に使うボルトは、木材を間にかませたことで長さが足らなくなったので、同径で少し長いボルトを買ってきて対応した。ただ、本来のボルトと同じピッチのものがなくて、合わないピッチのボルトを無理にねじ込むことになってしまった。本来のボルトはピッチが1.2か1.3くらい(いわゆる「並目」?)なのに対して、ホームセンターにはピッチが1.0のもの(いわゆる「細目(さいめ)」?)しかなかったからだ。



もともとはグレー系の色で、座面は青だったが、デスクのリペイントに合わせて、椅子もすべてつや消し黒で塗ってしまった。今回、新たに取り付けた300円の車用ヘッドレストがそれなりに形になっているでしょ


 













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