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シーズンオフの山 北アルプス・上高地+尾瀬

撮影年月日:2003年11月12日+1999年10月18日

 紅葉の時期を過ぎると山はシーズンオフを迎える。例えば上高地や尾瀬のような人気山岳地でも、ほとんどひと気もなくなる。もちろん冬山を目指す登山者はいるし、大都市近郊の低山では晩秋から早春にかけてもハイカーが多いのだが、それを除けば、やはりほとんどの山では人出が極端に減る。
 11月の上高地も平日なら至って静か。大正池では、ハイシーズン中は絶対に見ることができない浚渫船が浮かび、大正池の浚渫作業をしているし、普段は人でごったがえす河童橋も「がら〜ん」だ。ところで私が大学生の頃、5月下旬の上高地に平日訪れると、非常に閑散としていたのをよく覚えている。当時はマイカー規制も始まっていなかったので、レンタカーで上高地バスターミナルの有料駐車場まで乗り入れて、その日は小梨平で幕営した。翌朝、朝日を浴びる河童橋に行くと誰ひとり観光客がいなかった。今にして思えば新緑真っ盛りの5月下旬に、いくら朝とはいえ河童橋が閑散としているなんて考えられないので二度と経験できない非常に貴重な体験だったのかもしれない。上高地を散策したあと帰途についたが、その散策の途中も誰にも出会わなかった。当時は5月でもシーズンオフだったのだ。

 一方、尾瀬では10月中旬にアヤメ平を経由して尾瀬ヶ原へ入ったことがある。閉山間際の時期なので、アヤメ平はすでにうっすらと雪化粧しており、富士見小屋はもう閉まっていたが、印象に残ったのがアヤメ平などに立つ道標だった。積雪期に備えて指示板が取り外されてヒモでくくってあった。そのままでは雪で折れたりして傷みやすいからだろう。山によっても対応は違うだろうし、尾瀬でもすべての道標に同じようなことをしているかどうか知らないが、当然、シーズン前には元に戻されるわけで、毎年付けたりはずしたりの繰り返し。大変な作業だ。
 シーズンオフの山を歩くと道標ひとつとっても、それを管理している人がいることに改めて気づかされる。私たちが無事に山旅を楽しめるのも、こうした手間のかかる地道な作業をしている人のお陰だ。そのことを忘れちゃいけない。道標をはじめとして山の公共物は大切に使用しよう。なお、この日、鳩待通りのコースは寒々しい風景だったが、尾瀬ヶ原へ下るとまだ紅葉が楽しめた。




記念写真を撮る人が誰もいない閑散とした河童橋(左)。大正池に浮かぶ浚渫船(右)。どちらも撮影は2003年11月中旬。


以下6点NEW


上の写真の前年(2002年)に撮影した11月初旬の大正池。やはり浚渫船が浮かんでいた。この年はすでにこんなに真っ白。私が訪問する数日前には積雪のためバスが1日運休したほどだった。



その時の大正池。シーズン中は観光客で賑わう池の畔も雪に覆われ閑散としていた。散策している人もいることはいたが、雪がつんつん降っていたので、さずかに少ない。



河童橋に続く遊歩道もこんな感じ。田代池でカメラを構える人が数人いた程度。



本文に書いた「大学生の頃にレンタカーで行った上高地」。以下の写真3点はその時のもの。上の写真は初日に撮影したものだが、本文にも書いたように翌朝は太陽が顔を出し、新緑がキラキラと輝いていた。それにも関わらず、やはり閑散としていた。



バスターミナルの駐車場から梓川左岸道に出ると、この通り。がら〜ん。遠くに人の姿もわずかに写ってはいるが、観光客と出会うことは一度もなかったように記憶している。



小梨平で幕営した時の写真。テントを設営直後にパラパラと雨が降り出し、テントから手だけ出して夕食の支度をした。駐車場も小梨平も、もちろんガラガラ。


鳩待峠からアヤメ平へ。足跡がまったくついていない薄化粧したての木道(左)。指示板が取り外されて、ヒモでくくりつけられた道標。こうして冬を迎える準備が人知れず行われている(右)。


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