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名前のついた岩 南アルプス・地蔵岳など

撮影年月日:1995年5月28日など

 各地の山や渓谷には、大砲に似ていることから命名された群馬県・妙義山の大砲岩のように何かに見立てて名付けられた岩というのは珍しくない。特に奇岩が多い山梨県の昇仙峡のような場所では、あらゆる岩に名前が付けられていたりする。「なるほど」と納得できる岩も多いが、どうしてその名前がつけられたのかよくわからない岩にも時折遭遇する。

 その一方、その山を特徴づけるほどの巨岩を抱える山もある。代表的なのが、南アルプスの地蔵岳にそびえる地蔵岳オベリスクだ。オベリスク(obelisk)とは、そもそもギリシア語で焼串の意味をもつ古代エジプトの記念碑のことだが、地蔵岳の岩塔は、まさにオベリスクのような尖塔状なので、このように名付けられたのだろう。ほかにも奥秩父・金峰山山頂にどっしりと立つ五丈岩、屋久島・太忠岳(たちゅうだけ)の天柱石なども挙げられる。




南アルプス・地蔵岳オベリスク。


奥秩父・金峰山山頂に屹立する五丈岩(左)。山梨県甲府市・昇仙峡のシンボル、覚円峰(右)


カエルそっくりの筑波山・ガマ石。茨城県つくば市(左)。横を向いた仏様の姿に見える仏岩。群馬県水上町・吾妻耶山(中)。その昔、雨乞いをした?奥秩父・乾徳山の雨乞岩(右)。


由来は不明。女性の姿には似ても似つかない山梨県・茅ケ岳の女岩(左)。奥秩父・瑞牆山の巨岩2点。パックリとふたつに割れた桃太郎岩(中)と直立する大ヤスリ岩(右)。



栃木県日光市・庚申山の「めがね岩」。



栃木県鹿沼市・横根高原の仏岩。左の解説板には、「日光の山岳信仰の基礎を作った勝道上人や修験者によって命名された岩」とある(左)。立山・旧登拝道沿いにある獅子ヶ鼻岩。かつては立山修験道の行場だった(右)。


東京都奥多摩町日原にそびえ立つ梵天岩。高さは約90m(左)。愛知県新城市にある名勝・猿ヶ岩(右)。


屋久島・太忠岳山頂に屹立する天柱石。見る方向によって姿はまったく違う(左)。岡山県玉野市、倉敷市にまたがる王子ヶ岳にあるニコニコ岩。ニコニコというよりもニンマリしている顔に見えるが…(右)。


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