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同属は北アメリカに2種が知られるだけ
ルイヨウボタン
メギ科
Caulophyllum robustum
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 メギ科ルイヨウボタン属の多年草。北海道~九州に分布。深山の落葉広葉樹林内に生える。高さは30~70センチ。葉は、茎の上部に2~3回3出複葉が2個つく。一見すると3個の複葉が輪生しているようだが、複葉の柄がほとんどなく、最初の小柄がかなり長いので、そう見えるだけ。小葉は全縁の長楕円形だが、浅く2~3裂することもある。葉の形がボタンに似るので「類葉牡丹」と名付けられた。

 4~6月、茎頂に黄緑色で直径1センチほどの花が数個~10個程度開く。花弁に見えるのは萼片で、本来の花弁は、その内側に並び、蜜腺がある。秋に直径8ミリほどの液果のように見える裸種子2個を並んでつける。

 ルイヨウボタン属は、本種のほかに北アメリカで2種が知られているだけで、隔離分布する属として知られている。古い図鑑には、「北アメリカに1種」とあるので、その後、分類研究が進んで種が分けられたのかな?




埼玉県横瀬町の武甲山に咲くルイヨウボタン。



黄緑色の花。同じく武甲山。


花弁に見える部分は萼片。その内側に並ぶのが本来の花弁。さらにその内側にあるのが雄しべ。中心が雌しべ。撮影は志賀高原。


  
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