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花序はまるでタコの足…
タコノアシ

ユキノシタ科
Penthorum chinense

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 本州〜九州の低湿地や沼畔、川べりなどに生えるユキノシタ科タコノアシ属の多年草。花序の形を見れば、名前の由来について説明はいらないだろう。花期は8〜9月で、花軸の上に径3〜5ミリの黄白色の花を一列につける。花には普通花弁はないが、まれに白色の花弁をつけることもあるという。果実は刮ハで、熟すとフタがはずれて種子を散らす。現在、主な図鑑ではユキノシタ科に分類されているが(ベンケイソウ科とするものもある)、タコノアシ科として独立させる見解もある。

 10年近く前、神奈川県内のある低湿地にタコノアシが自生するとの情報を得て探しに出かけたことがある。すでに時期は11月、もう完全に枯色だったがとりあえず目的を果たす。花を見たのはその2年後の9月。再訪問でようやく、タコの足のような花序を広げる姿を目にできた。



花期のタコノアシ。まさにタコの足のような花序がおもしろい



果実は刮ハ。とんがり帽子のような部分がはずれ、中から種子が散る。写真左上に「帽子」がはずれた箇所がある。



  
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植物記