実は、賢くない人ほど自己を過大評価して
自信過剰である






 インターネットの発達によって、一般人が発する生の意見を多く読めるようになり、いろいろなことがわかるようになりました。そのひとつが記事その3で書いたことですが、ほかにもあります。例えば、内容が薄っぺら、ロジックがおかしい…等々の、あまり賢い印象を受けない書き手ほど、やたら自信過剰だということです。そういえば、確かにリアルな人間関係でも時折そういう人がいらっしゃることにも、ふと思い当たりました。

 でも自信過剰な人って、どちらかというと頭がよくて、一流大学卒の高学歴で、鼻持ちならないエリートに多そうに思いませんか? 確かにそういう人もいるでしょうが、現実はその逆のことの方が多いのではないか…と私は秘かに思っていました。

 ところが、調べてみると私の印象は、どうやら正しかったようです。すでに心理学では、広く認知されており、この事実を調べたアメリカ・コーネル大学のデビッド・ダニングとジャスティン・クルーガーの名前をとって、「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれていることがわかりました。

 Wikipediaでは、ダニング=クルーガー効果について「未熟あるいは能力の低い個人が、自らの容姿や発言・行動などを実際よりも高く評価してしまう認知バイアス。自己の『愚かしさ』を認識することのメタ認知(公正かつ冷静な振り返り)ができないことによって生じる」と説明しています。わかりやすくいうと、能力の低い人は、自分自身の能力さえ適正に評価できないし、他人の能力も適正に評価できないため、その結果、自分自身を過大評価してしまうことをいいます。もっと噛み砕いてストレートかつ手短に表現すると、「バカほど自信満々になりやすいこと」ですかね(笑)。

 そもそも…次のようにもいえます。

「バカな人は、自分がバカであることを理解できない。なぜならバカだから」。

 あるいはこうもいえるでしょう。

「鈍感な人は、自分が鈍感であることに気づくことができない。なぜなら鈍感だから」(笑)。

 バカな人や鈍感な人には、とにかく絶望的なほどの物理的な限界が存在しているんですよ。知ってました?

 今、この記事を読んでいる人が、能力が高いか低いか知りません。でも、あまりに自信の度が過ぎると、ダニング=クルーガー効果を根拠に「バカの証拠」と思われてしまいますよ(笑)。



 




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