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Nature
 月刊MOE/偕成社 

 


 偕成社の『月刊MOE』は、「メルヘン・ファンタジー&イメージアート」という副題が付いたアート系雑誌。副題を見ただけで、「自分には似合わねぇな〜」と思ってしまうが、過去2号だけ購読している。そのひとつが、写真の1988年11月号で、特集はドイツの絵本作家ビネッテ・シュレーダー。新聞広告か何かで知り、「これは買わないわけにはいかない」と本屋に向かった。

 本項(現在は「書籍館」)で、かなり以前に紹介した絵本『Lupinchen』の作者で、この表紙も同絵本からの転載である。ご覧のように幻想的な作風で知られ、小学1年生の時、丸善広島店で開催された世界絵本原画展で、同絵本の別の原画を見た時の印象は強烈で、以後、「作者はどんな人なんだろう?」とずっと思っていた。
 特集ページをめくると、ミュンヘン郊外にあるというご自宅をはじめ、その室内に飾られた絵本作家らしいセンスを感じさせるオブジェ、あるいはご自身の絵を使用したソファや風呂場のタイル、そしてご主人と愛犬…等々の写真もたくさん掲載されていた。近影(当時)を拝見して、おしゃれで気品があって想像通りの方だな…と思った。

 本誌特集には、『Lupinchen』以外の彼女の作品が何点も掲載されているが、どれも幻想的な作風は変わらず、その圧倒的な美的感性には舌を巻くよりほかにない。この独特な作風を生み出せる能力って、すごくないか。

 ところで最初に買った『MOE』は、これよりも3年前の1985年12月号。今も現物があるが、なぜ買ったのかまるで記憶にない。



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