ホトケノザ花冠
上部の毛


髪をピンク色に染めた人の頭頂部…じゃなくて、春の野草としてよく知られているホトケノザ花冠上部の毛が密生している部分をアップにした写真でした。花の一部分とは思えないほど、わさわさと生えているね。それにしてもこれほど毛を付ける理由って何だろう。実は、この毛は蕾の段階から先端部を覆っているので、もしかすると蕾や花を保護する役目があるのかもしれない。

さらにアップにした下の写真で確認すると、表皮を透けて毛の根元がうっすらと見えてるね。つまり、毛は表皮からいきなりではなく、内部から出ていることもわかる。おそらく、この方が毛の強度が高くなるからだろう。

 
ホトケノザの花は、長さ約2センチ。毛は花冠全体にも見られるが、特に上部に多い(左写真・赤矢印)。また花冠を拡大すると、まるで微細な透明ビーズで構成されているように見える。下唇は3裂し、中央裂片はさらに2裂している(右写真)。各裂片内に点々とある赤紫色の斑紋が、何ともおしゃれだが、肉眼で見る限り、こうした微細な特徴にはほとんど気づかない。美しい飾りとして見ているのは、訪花昆虫だけだろう。 

Nature
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File No.0026