オオスズメバチの眉間

先月、実家の庭で多数のアリに取り囲まれ死にかけていたオオスズメバチを見つけたので、アリをふりはらって撮影したもの。オオスズメバチの眉間にある触覚と3つの単眼、それにまだら模様がある複眼部分をアップにしてみた。

感心するのが、触覚の付け根。人間の手足の関節と同様、いろんな方向に向けられるように球状の先端とそれがすっぽり入る受け皿のような構造をしているらしいことがわかる。つまり、堅い体表を維持しつつ、触覚を任意の方向に向けられるようにするには、必然的にこのような構造になるのだろう。甲虫の手足の関節も同じしくみになっているわけだが、それにしても毎度、生物の機能的な構造を見る度に思わず口にしたくなる。

「この構造って誰が設計したんだ?」…ってね。

それに見れば見るほど、顔の表面はまるで樹脂のような質感だ。大学生の頃にも弱っていた個体を見つけて撮影したことがあるので拡大するのは初めてじゃないけど、特に複眼と顔面との境界あたりは、人間が接着剤で接合して作ったかのようだね。

ところで、羽を固定して撮影していると、ほとんど動かないくらい弱っているのに、お尻の先から毒針をしきりに出し入れしていた。おそらく意識はほとんどない状態なのだろうが、何か異常な事態にあることを察して、本能的に身を守るべく毒針を出していたのだろう。


 

Nature
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File No.0025