奇岩7 鳴石 長野県立科町
撮影年月日:2018年6月27日
鳴石(なるいし)は、蓼科山北麓の雨境峠(あまざかいとうげ)にあり、古くから知られた奇岩である。写真のように形容しがたい不思議な姿をしており、敢えて例えるならハンチング帽に似て、南側の方が角度と高さがあり、北側に向けて緩やかに傾斜しながら、先がわずかに窄まる、ほぼ左右対称の形状をしている。
視点を低くして横から見ると、岩の間には、わずかな隙間があり、自然に割れてふたつの岩になったというよりも、別々の岩を人為的に重ねたように見える。また上の岩の西側だけ、凹んだ線が半周するように付けられており、加工された跡のようにも感じられる。そもそも全体も人の手が加わっているとしか思えない形だ。
『蓼科山略記』は、「或る時石工が玄能にてこの石を割らんとすれば山鳴り谷にこたえて雲り火の雨降り石工は悶死する」と伝え、古代東山道(とうさんどう)の祭祀遺跡群のひとつとされる。5世紀から中世にかけて信仰の対象とされた磐座(いわくら)だという。立科町指定文化財に指定
場所は県道40号沿いの蓼科第二牧場。「牛乳専科もうもう」の看板が立つ駐車場に車を置き(鳴石見学者の駐車可)、案内標識に従って小径をたどると、すぐに見えてくる。大小ふたつの岩が少し距離を置いて鎮座し、合わせて鳴石と呼ばれる。
打つと「コーン」と余韻を残す音がすることから鳴石と呼ばれるが、実際に打つのは禁止されている。固いもので叩くと「カンカン」と澄んだ音がする讃岐岩(さぬきがん)もあるとはいえ、通常の岩は叩いてもそんな音はしない。もともと音がしやすい岩質なのか、それとも中に空洞が作られているのか、理由は不明。形だけでなく、澄んだ音がする性質も不思議というしかない。まさに奇岩である。
|
|

西側から大きい方の鳴石を見たところ。上の岩の西側だけ凹んだ線が掘られている。

正面(南側)から見た鳴石。ほぼ左右対称形で、上面にはわずかにふたつの盛り上がりがある。

少し離れて見た鳴石。鏡餅のように見えるので鏡石とも呼ばれたという。

小さい方の鳴石。奥が上写真3点と同じ大きい方の鳴石。

現地に立つ解説板。
|