File No.035
アングルファインダー丸窓変換アダプター


 接写撮影時には欠かせないアングルファインダーは、カメラのファインダー画像を垂直方向から見るための撮影器具。長年、ニコンのアングルファインダーDR-3を使っていたが、さすがに古くなったのでレバー操作ひとつで2倍にも拡大できるニコンの新アングルファインダーDR-6をもう随分前に購入。丸窓用のDR-5とどちらにすべきか迷ったが、当時は、角窓のD300も使っていたので角窓用のDR-6を買ってしまった。しかしその後、D300は売却し、丸窓のD700とD800しか使わなくなるとDR-6の出番がまったくなくなってしまった。丸窓用DR-5には、角窓用に変換するアダプターDK-22が別売りで用意されているが、なぜかこの逆はない。そこでDR-6を無駄にしないために自分で角窓→丸窓変換アダプターを作ることにした。

 しかし実際にどういう構造にするかとなると、なかなか難しい。要は丸窓にねじ込むネジが切ってあるアイピースアダプターDK-17に角窓用台座を作って両者を固定できるようにすれば問題解決だが、ねじ込んだ際にアングルファインダーの向きを修正できるように回転できる構造の方がベター。ただ、この条件をクリアするとなると製作のハードルは確実に上がる。いろいろな方法を検討した結果、加工しやすいプラスチック板から部品を切り出して、アイピースアダプターと組み合わせる方法を思いついた。これなら、私の加工技術でもなんとかなりそうだ。


関連情報→本サイト「作る! アングルファインダー丸窓変換アダプター 改良編




今回、作る部品はDR-6の角窓取り付け口に差し込む台座パーツと、その台座とアイピースアダプターを固定するためのリングパーツの2点だけ。ちなみに後者の部品は、厚さ5ミリの発泡プラスチック板に下書きして、まずは大雑把に切り出すところからスタート。



おおよそ外寸近くに切り出し、中心に穴を開けて、ボルトとナットで仮軸とする。それを卓上ボール盤に取り付け、ボール盤を横向きに置き、旋盤のようにして規定の寸法になるまでヤスリで2段の円盤構造に削り出す。寸法通りに仕上がったら、仮軸を取り外し、そこに内側の円よりひとまわり小さい径の穴をボアビットで開ける。



台座パーツ(左)は、両端が2段構造になった台座部分とアイピースアダプターを差し込む円筒部分からなる構造で、接着したわけではなく1枚のプラスチック板から削り出したもの。右は上記行程を経て完成したリングパーツ。



塗装前に上記パーツ2点と丸窓ファインダーにねじ込むためのネジが切ってあるニコンのアイピースアダプターDK-17を組み合わせてアングルファインダーDR-6に仮付けして見た。うん、まあまあの具合だね。



つや消し黒で塗装した各パーツ。右は旧アングルファインダーに取り付けて使い込んでいたアイピースアダプターDK-17。これも塗装が所々剥がれていたので塗り直した。



アイピースアダプターDK-17の裏側からリングパーツで挟み込むようにして台座パーツとを接着剤で固定して作業終了。ただしアイピースアダプターDK-17と台座パーツは固定されていないので自由に回転できる。

こうして完成した自作アングルファインダー丸窓変換アダプターを使ってNikonD800に角窓用アングルファインダーDR-6を取り付けたところ。アングルファインダーの画像などに問題はない。











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