ビリビリ装置を開けて、中の回路と電池を出したところ、手前側に見えているのが、電源スイッチや通電スイッチ。写真には写っていないが灰色の筒の奥側に通電する端子が取り付けてある。左に写っている金属部品や奥の電池ケースは、別の装置なので無関係。


装置の構造。写真を見るとジャックもトグルスイッチもプッシュスイッチもそれぞれふたつあるんだけど、確かに一方は外部出力用ジャック、電源スイッチ、通電スイッチなのは間違いないが、残りのジャックとスイッチが何のためだったか、まったく覚えていない。

 
 
上の図のように本体はポケットに入れてコードを通し、袖の金ボタンを端子にしているので、ステルス性能は完璧なのだ(ただし小泉先生には通用しなかったけどね・笑)。


Nature

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作る!

外部出力ジャック付き携帯型ビリビリ装置

File No.028

 私が中学生の頃、定番の電子工作といえば、ラジオとか、電子サイコロとか、あるいは降雨警報機とかだった。中でも部品が少なくて作りやすい電子ビックリ箱は電子工作回路集みたいな本にはよく載っていたし、キットもあったように思う。
 電子ビックリ箱というのは、箱のフタにアルミ箔などで通電部分を貼り付け、箱を持った瞬間に電気が流れてビリビリしびれるというもので、人を驚かせて楽しむという悪趣味な回路である。実際には身体に悪影響があるようなものでもなく、たぶん今で言う低周波治療器と似たしくみだろうと思う。確かに人によってはかなりしびれる人もいたが、一方でほとんど感じない人もいた。今もあるかもしれないが、当時は、子供向けの電子回路としてよく紹介されていた。

 私も広島の電子パーツ店で部品を揃えて作ったのだが、ビックリ箱形式ではありきたりなので、少し工夫することにした。回路基板もなるべくコンパクトにまとめ、携帯しやすいように筒状のケースに回路と電池を収納し、スイッチ部分とネジで代用した端子を外に出す構造にした。つまり、目立たないようにポケットにしまって、いきなり友達をビリビリさせて驚かせようというわけだ。筒状なので握りやすいし、コンパクトなので直前まで見つからないようにすることもできた。しかも、さらに外部出力用のジャックまで取り付けたのがミソだった。
 外部出力ジャックがあれば、例えば学生服の袖にあるふたつの金ボタンでさえ、そのまま端子にできる。金ボタンに結んだコードを袖の中に通して、ポケットに入れた本体でスイッチをONにすれば、袖の金ボタンを相手に押し当てるだけで「ビリビリ攻撃」ができる。これは、もう完璧な「ステルス型のビリビリ装置」の完成である。

 こうして「ビリビリ装置」は、本体を友達に貸したり、ある程度の期間、学校でいろいろ楽しんだわけだが、ある日の音楽の授業中、学生服の袖からこっそり出して金ボタンに結んだコードを小泉先生(女)に目ざとく見つけられ、「何このコード?」と質問されてしまった。でも答えに困っていると、それ以上は追及されなかった。本当のことを説明したとしても笑ってすまされると思うけど、ちょっと焦ったな。女性の目ざとさを甘く見てはいけないことを初めて学んだのだった(笑)。