Nature

File No.012
車用ブラインド型雨除け 製作編


 以前、本項「作る!」でその雛形プランを紹介した「車用ブラインド型雨除け」だが、車を新しく買い換えたのに伴い、早速、製作にとりかかった。最初のプランでは、窓に付けるブラインドと同じように上にまとめたり、角度を変えたりできる構造にしていたが、最終的にはこうした機能は必要ないと判断し、雨除け能力の方を重視したシンプルな構造に変更した。
 今回、採用した構造では、車の窓のラインと同じ曲線(車の窓ガラスは微妙に曲っていることが多い)でプラスチック板を切断する必要があったので、まずは車からその曲線を型どりするところから始めた。型どりといっても簡単で、窓の外側に木の角棒をテープで止め、細長く切った厚紙を窓のラインに沿って貼っていくだけ。これを結んで曲線を引くことで、型どりは終了だ。
 次に「ブラインド」を固定するプレートの型紙を作る。これは片側に型どりした窓の曲線ラインをもつプレートだが、窓の前側と後側では長さが異なるので別々に型紙を作る必要があった。とりあえず定規とフリーハンドで、ベースとなるものを作り、それをスキャナーでパソコンに取り込み、簡単な製図ソフトで製図しなおして、4点のコピーを並べたものを紙に出力。これを型紙としてプラスチック板に貼り付けて、それに合わせて切断した。


 パソコンの製図ソフトで型紙を作り、それをプラスチック板に貼り付けたところ。形は2パターンで最終的には4本のプレートとなるが、3層構造になっているので、つまり計12枚も切り出す必要がある。ただ発泡塩化ビニルの板を利用したので、加工は比較的容易だった。カッターである程度切り出し、あとはヤスリで曲線を仕上げた。




 プラスチック板を型紙に合わせて切り出し、必要な箇所に卓上ボール盤で穴を開けたところ。今回のような製作では、普通の電気ドリルでの加工は難しい。やはり正確に垂直の穴を開けられる卓上ボール盤は必要不可欠。
 3層構造のうち真ん中の板は厚さ5ミリのプラスチック板で、同じく厚さ5ミリのゴムとともに厚さ3ミリと1ミリのプラスチック板で挟み込む造りになっている。


 短冊状に切ったビニールを斜めに取り付け、ハトメで固定。3層の各プラスチック板はネジ止めし、窓に貼り付けるためのマグネットをL字金具で取り付ければ完成だ。写真は右側用だが、同じく左側用も作った。
 左の図は、その概略図。車のバイザーとともに斜めに取り付けられたビニールが雨を除けるので、降雨時に窓ガラスを開けて網戸だけにしても、外気だけは車内に入ってくるしくみ。雨が降る蒸し暑い夏の日の車中泊には効果を発揮するはず。製作後、雨の日に取り付けてみたところ、予想通りの結果を得られた。

 ただ実際に車に取り付けてみると、いくつか改良したいところもあった。ひとつはビニールがやや薄かったこと。もう少し厚手のものの方がよかった。もうひとつは、ビニールに部分的に「張り」が出なかったこと。ビニールとプレートは垂直についているのではなく、ハの字状になっているために、その調整が難しかったからだ。何回か使ったら、以上の点を改良したい。














 

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