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にっぽん全国 一度は歩いてみたい道  関西 001 

■DATE


歩行時間/4時間15分
歩行レベル/家族連れ向き
最寄りの駐車場天理駅前駐車場(有料)桜井駅北口駐車場(有料)
最寄りの駅JR天理駅JR近鉄桜井駅
MAP(外部リンク)奈良県ウォーキングポータルサイト
取材年月日/2015年04月17日
メモ/山の辺の道は、グーグルマップのストリートビューでも通して見ることができる。
 
■コース概略


 
その昔、三輪山(みわやま)から石上布留(いそのかみふる)を抜け、奈良へと続く道があった。それが、日本最古の官道とされ、「日本書紀」にも記述がある山の辺の道(やまのべのみち)だ。
 大和国原(やまとくにはら)を取り囲む青垣(あおかき)のうち、龍王山(りゅうおうざん)や三輪山などの山裾に縫うようにのび、沿道には古代のロマンをかきたてられる古い社寺や旧跡、古墳、天皇陵などが点在している。とはいえ当然といえば当然だが、途中には現代風の景観も多々あり、舗装車道を通ることもある。それでも実際に歩いてみると、山の辺の道でしか味わえない風情にきっと満足するはずだ。
 歩く人が多い山の辺の道南コースは、天理と桜井を結ぶのでJR天理駅からスタートする(逆コースでも可)。かつてはバス路線もあったが、廃止されたようだ。そのため駅から本通を抜けて徒歩で石上神宮(いそのかみじんぐう)へ向かう。
 この先が、いよいよ山の辺の道。道標もよく整備されているので、迷うことはない。ところどころに公衆トイレもある。ゴールはJRと近鉄の桜井駅。車利用の場合は、天理駅前駐車場を利用し、歩き終えたら電車で戻ればいい。次は天理と奈良を結ぶ山の辺の道の北コースも歩いてみたい。





■コースシミュレーション

 JR天理駅からスタートする。車利用の場合は天理駅前駐車場を利用。大きな立体駐車場なので、すぐにわかる。

2 駅を出て交番前の交差点から天理本通のアーケード街を抜ける。取材時は朝早かったので、お店が開いていなかった。






3 物部氏の総氏神・石上神宮。国宝の七支刀も有する古社だ。境内では放し飼いのニワトリが迎えてくれる。

4 内山永久寺跡。永久年間(1113〜1117年)に建立され、かつては大伽藍を誇ったこともあったらしい。しかし明治時代の廃仏毀釈で廃寺になってしまったという。


5 戦国時代の武将・十市遠忠(とおちとおただ)が詠んだ「待ちて 嶺こへけりと聞くままに あはれよふかき はつかりの聲」の歌碑が道端にひっそりと置かれていた。そばに咲くのは八重桜。




6 満開のトキワマンサクと古びた石塔。トキワマンサクは中国原産の樹木だが、それなりに絵になっている。






7 表面がすり減った石畳の道。奥は竹林。この先に公衆トイレあり。


8 苔むした藁葺き屋根に新緑が映える。夜都伎(やとぎ)神社にて。





9 乙木町(おとぎちょう)の路地を抜ける。付近には大きな蔵がある民家も…。





10 菜の花が道端を彩る。





11 竹之内環濠集落の先にある無料休憩所。


12 同休憩所には山の辺の道の案内図がある。現在地を確認!

13 大きな倉庫前に歌碑があった。「あしひきの山川の瀬の響るなへに弓月が嶽に雲立ち渡る」柿本朝臣人麿。


14 民家の瓦屋根に一羽のアオサギ。


15 さすが大和盆地。古墳もあるよ。写真は西山塚古墳だが、手前にも波多子塚(はたごづか)古墳があった。向かいは萱生環濠集落。





16 路傍の石仏。手前には公衆トイレ。




17→ 長岳寺。天長元年(824)に弘法大師が創建した高野山真言宗の古刹。花の寺としても知られ、ツツジやアジサイなど、四季折々の花に彩られる。取材時は本堂前で八重桜が満開だった。





18 長岳寺境内にて。



19 同じく長岳寺で。






20 長岳寺そばにある天理市トレイルセンター。山の辺の道の案内や歴史文化の紹介施設。レストランもあり食事もできる。

21 同センター内の展示。

22 崇神天皇陵。さすが日本最古の官道だけのことはある。古墳だけでなく天皇陵まである。それにしてもデカイ。






23 沿道にはのどかな田園風景が広がる。





24 渋谷バス停との分岐点で見かけた光景。道標と八重枝垂桜が、山の辺の道らしい風情を見せていたが、グーグルのストリートビューで現状を確認すると、桜はなくなっていた。残念。


25 渋谷向山古墳を眺めながら歩く。


26 無人販売所があった。売られていたのはタケノコやワラビ。


27 額田王万葉歌碑。奥に見えるのは三輪山。


28 路面にも山の辺の道を示すタイルが…。





29 桧原神社のしめ縄は、ほかの神社とはちょっと違っていた。


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 三ツ鳥居が特徴の桧原神社に参拝する。
31 玄賓庵。解説板によると玄賓僧都が隠棲していた庵で、ここに伝わる不動明王座像は重要文化財指定とのこと。

32 
玄賓庵〜貴船神社間は、木立が続く道となる。足元には「三輪山」の石碑が。






33 大神神社末社の貴船神社。夫婦円満、恋愛成就の御利益があるという。


34 大神神社(おおみわじんじゃ)。日本最古の神社のひとつとされ、御神体は三輪山。本殿がなく、直接三輪山に祈りを捧げるという古い神社形式を今に伝える。記紀にも多く登場する。


35→ 大神神社にて。白い小袖と緋袴を纏った巫女さんを見かけ、思わずシャッターを切った。偶然だが、絵になるわ〜。






36 大神神社近くの三輪稲荷成就社で見かけた赤い前掛けをした狐像。
37 平等寺を過ぎると、しばらく林間の道。

38 林を抜け出すと、石畳に変わる。






39 金屋の石仏。釈迦と弥勒と推定される二体の石像は高さが2.2メートル。格子の間から見ることができる。重要文化財に指定。

40 板張り民家の裏手に続く路地を行く。


41 海柘榴市(つばいち)跡は、古代の市場があったところ。かつては山の辺の道だけでなく初瀬街道、竹ノ内街道などが集まる要衝で、大変賑わっていたという。


42 県道を横断した先で大和川沿いの小径に突き当たる。左右どちらでもいいが、右の方が近い。





43 大和川。古くは初瀬川(はせがわ)と呼ばれた。万葉集では13首も詠まれている。




44 県道のガードをくぐる。この先はスマホのナビで桜井駅に向かおう。交差点を右折・左折する必要があり、迷う可能性がある。



45 ゴールの桜井駅に到着したよ。現代の山の辺の道は如何でしたか?













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